プレイヤー：４人
プレイ時間：３時間前後
リサーチ基準：達成値16前後
キャスト作成：メイクアップ推奨
篠塚隼人による《天罰》の効果。何ならアクト開始前に通達しておくといい。
トーキョーN◎VA the Detonationのエラッタが発表され、ウェット達にクレッドクリスが与えられる前の話である。
このシナリオでは、神業の効果により、クレッドクリスが廃止され、IANUSのインストールが強制されている。
キャストがクレッドクリスを所持している場合、「クレッドクリス相当の偽造ID」として扱い、キャストのランクはアクトの間「X」として扱う。
「クレッドクリス相当の偽造ID」は、キャストが元々持っていたランクを提供する。
ルール的には、何の変更もない。
革命は終わり、トーキョーN◎VAは新たな時代を迎えた。
時代遅れなクレッドクリスは淘汰され、
IANUSをインストールする事が当然とされるようになった。
なぜ、クレッドクリスからIANUSへと移り変わったのか？
なぜ、クレッドクリスのままではいけなかったのか？
その疑問に対する１つの形が、このアクトである。
人々にIANUSのインストールを強制したのは、軌道による陰謀だった。
『Ｄ計画』と呼ばれる陰謀のため、軌道から派遣されたエージェント、篠塚隼人と神崎誠次は、
それぞれセニットと千早重工に潜り込み、１年間の月日をかけて計画を準備する。
クレッドクリスの廃止法案を押し通し、千早重工のIANUSシェアは100%になった。
計画は順調で、誰にも気づかれないまま、N◎VAは軌道に支配されるはずだった。
だが、世界の変化は計画にも影響を与えた。
完全なはずの計画に、崩壊の兆しが見える。
渦中に巻き込まれた友人を助けるため、『Ｄ計画』の謎を追う『フェイト』。
不自然な死の真相を突き止めるべく、神崎誠次の背後を調べる『クグツ』。
自分の記事に思わぬ反撃を受け、窮地に追い込まれた『トーキー』。
そして、目覚めたばかりのＡＩと出会い、彼女を止める『ニューロ』。
最終的には、篠塚隼人及び"Ｄ"と戦い、彼等の計画を止める事になる。
どんな形でも、『Ｄ計画』を失敗させれば、このアクトは終了となる。
情報収集に必要な達成値は低く、ゲストもメイクアップ程度の強さであるため、
数値的な難易度は非常に低い。
キャストの「らしさ」を出す事を重視していこう。
革命は終わり、世界はその姿を変えた。
技術の恩恵を得るために、人々は競って電脳化を進め、
街は瞬く間にネットワークに包まれた。
──しかし。
もてはやされるテクノロジーの裏側に隠されていたのは、
危険すぎる陰謀。
ここはもう一つの世界、もう一つの未来。
輝かしい電脳革命の裏側で、今、運命の扉が開かれる。
『ニューロ』はN◎VAじゃちょっと名の知れた、いわゆるウィザード級のハッカーだ。
周りのストリートキッズはキミを尊敬の眼差しで見つめ、企業重役達はキミを恐れている。
最近では、手を出してくるような連中もすっかり少なくなり、少々退屈し始めていた。
──そんなある日。キミは奴に……『Ｄ』に出会った。
『トーキー』はN◎VAスポでも指折りのジャーナリストだ。
つい先日も、セニット議員である『篠塚 隼人』と、千早重工重役の
癒着疑惑の記事を書き、その時のN◎VAスポの売り上げは３割も増えた。
編集長からの特別ボーナスを受け取り、有頂天になっているキミに、
急転直下の人生が待っているとは、誰も予想してはいなかった…。
『マクスウェル』は、千早重工の若きエンジニアであり、キミの友人だ。
彼は優秀は技術者だが、少々弱気で優柔不断な所があり、何か問題
に突き当たるたびに『フェイト』に助けを求めていた。
そんな彼が、IANUSの開発チームに所属する…と言う話を聞いてからおよそ１年。
キミは再び、彼を助ける事になるのだった…。
『神崎誠次』は、ここ最近の千早重工の中で、最も成功した人間と言えるだろう。
開発部の部長として、新型IANUSの開発チームを結成し、指揮したのが彼だ。
その神崎誠次が自殺したと言う話を聞いたのは、キミが目を覚ました直後の事だった。
後方処理課は、スキャンダルの揉み消しに大忙しになるだろう…。
本シナリオでは、ゲストの即死系神業対策として、キャスト全員で１つ以上の防御系神業が必要になります。
次の順に取得してください。
『フェイト』→『ニューロ』→『トーキー』→『クグツ』→『フェイト』
次を説明しておくと、後々の展開が楽になるだろう。
このシナリオの舞台を用意するために、《完全偽装》、《買収》、《買収》、《天罰》
が使用されています。
登場：キャストの登場不可
"Ｄ"を制御しきれなくなった、と言う報告を受けた神崎誠次が、"Ｄ"本体であるトロンを破壊しようとし、逆に"Ｄ"に殺されるシーン。
あえて、どちらがどの行動を取ったのかを解りづらくしてあるのは、
それなりに経験のあるN◎VAプレイヤー達へのミスディレクションの意味を持つ。
ここで、「神崎が…」「マクスウェルが…」などと、固有名詞を口にしてはいけない。
プレイヤー達に問われても、にやりと笑って先を進める事。
実際に何があったかは、イベント「●真実」を参照。
そこは薄暗いトロンルームの中。
顔は見えないが、スーツ姿の男が２人話しているのだけが解る。
（Ａ）「も…もう、もうこれ以上、アレを──制御することは……。」
（Ｂ）「…失態が "上" に露見するのも、時間の問題と言う事か…。」
男は、銃を手に取り──引き金を引いた。
響き渡る銃声。
脳髄を破壊され、力を失った身体が床へ崩れ落ちた。
冷たくなっていく身体を、何も言わず見つめる男。
青白く光を放つホロジェクターが、彼の横顔を照らす。
永遠とも思えるような沈黙。
やがて、彼はゆっくりと…事件の証拠を、消し始めた。
《完全偽装》、《タイムリー》が使用されました。
『男』が証拠を消し始めた所で、シーンは徐々にフェードアウトする。
登場：〈社会：N◎VA、企業〉 10
『クグツ』の上司である早川美沙が、神崎誠次の自殺の真相を探るように命じる。
美沙は調査費用として、クグツに３シルバーを提供する。
後方処理課──いや、広報課は、対外処理に大忙しだった。
スキャンダル好きなメディアからの取材要請はとどまる所を知らず、
広報課の電話は鳴りやむ事が無かった。
『クグツ』が、十何件目かの電話を切ったそのとき、内線呼び出しのランプが付いた。
「開発部の部長、神崎誠次氏が自殺したのは知っているわね？」
「神崎氏の生前、開発部に多量の用途不明金が流れている事が解ったわ。」
「彼のトロンに残された遺書には、『横領を隠しきれず命を絶つ』…と。」
「横領を苦に自殺なんて、今時N◎VAスポだって書かないわ。」
「横領したはずの資金の行方は、以前不明のまま。それを調べるのがあなたの仕事よ。」
「神崎氏については、いくつか後ろ暗い部分もあるみたいね。
先日も癒着疑惑で持ち上げられたばかり。調査する時には十分に気を付けて。」
『クグツ』が任務を受け、調査を開始しようとしたところでシーンは終了する。
登場：〈社会：N◎VA、メディア〉 10
篠塚 隼人と、千早重工の重役との癒着疑惑の記事を書き上げた『トーキー』が、
九条政次にベタ褒めされ、特別ボーナスとして５報酬点を受け取る。
プレイヤーに、千早重工とセニットとの関係を知ってもらう為のシーンでもある。
説明台詞はご愛敬。
「見てみい。先週のN◎VAスポの売り上げや。通常の３割増しやで！３割増し！」
九条編集長は、満面の笑顔で『トーキー』の肩を叩いた。
「さっすが、ウチが世界に誇るジャーナリストやな！俺も鼻が高いで！」
「セニットで法案が可決された直後、千早の新型IANUS発表…。いいところに目を付けたもんや。」
「セニットから千早に、何か情報が漏れとった…ってのは、実にありそうな話やしな。」
「こいつは特別ボーナスや。これからも、期待しとるで。」
突如かかってきた一本の電話によって、『トーキー』は追いつめられる事になる。 何者かによる社会的制裁。 このままでは、いずれN◎VAには居られなくなってしまうだろう。
「ん…電話や。ちょっと待ってくれ。」
電話を取った九条の顔色が、みるみる間に青ざめる。
「は!?『トーキー』が!?ウチも休刊!?そんなアホな！」
篠塚隼人による《制裁》。
『トーキー』に抹殺ダメージが与えられる。
「…『トーキー』、どうやら…とんでもない藪蛇やったらしいで。」
「名誉毀損で訴える…言う話やった。」
「相手が悪すぎるわな。向こうは腕っこきの政治屋や。正面からぶつかっても、勝てるワケないで。」
「かくなる上は、記事の正当性を証明するより他にあらへん。大衆を味方に付けるんや。」
「オマエの記事が、なんとか発表できるように、手を回しといたる。後はオマエの腕頼みや。」
『トーキー』が、自身の潔白を証明するために動きだしたところで、シーンは終了する。
登場：〈社会：N◎VA、ストリート〉 10
暇つぶしに街を眺める『ニューロ』が、通りを歩く人々のIANUSを覗いている少女に気付く。
堅牢なセキュリティを誇るIANUSが易々とハッキングされている異常事態だが、
気が付いている人間は誰１人いない。
少女は、『ニューロ』に気が付くと、意味深なセリフを呟き、逃げてゆく。
《電脳神》：この効果により、アクトの間は"Ｄ"の姿は一般人には見えない。 キャストは何の問題もなく見ることができるわけだが。
それは、異常な状態だった。
同じように歩き、ロボタクに乗り、毎日を惰性で生きている人間達。
そして、その人々のIANUSに、次々と侵入している……何か。
間違いない。これは…そう。《電脳神》。
「…そこで見ているのは誰？」
「私は、"Ｄ"とだけ呼ばれているわ。」
（逃亡前に）「…あなたは危険すぎる。監視下に置かなくては…。」
ハッキングを止めさせるため、ただ戦いたいため、自身の情報を守るため…。 とにかく、『ニューロ』が、戦闘態勢を取った時点で、"Ｄ"は逃げだし、シーンは終了する。
登場：他のキャストは登場不可
マクスウェルは、『フェイト』に助けられた事を深く感謝し、
新プロジェクトのチーフへと抜擢された事を告げる。
『フェイト』に与えられるモチベーションは、友人であるマクスウェルを助ける、と言う一点のみなので、
このシーンの演出には力を入れるべきである。
「ありがとう…本当に助かったよ。キミにはいつも助けられてばかりだな。」
マクスウェルは、申し訳なさそうに頭を掻き、笑った。
「成果が認められて、新プロジェクトのチームリーダーに抜擢されたんだ。
キミがいなければ、それも無かった。何かお礼をしなくちゃな。」
「しばらくは仕事にかかりきりさ。キミと、こんな風に酒を飲む事もできそうにない。」
（プロジェクトについて）「企業秘密…と言う事で、詳しくは話せないんだ。情報管理も、仕事だからね。」
時は流れて現在。
１年間の間連絡の無かったマクスウェルが、再びフェイトに助けを求めてくるシーン。
彼の声は恐怖に脅え、切羽詰まっている。
フェイトが問いただそうとすると、何者かの声がして、電話は強制的に切られてしまう。
「『フェイト』、助けてくれ！」
「僕は…殺されてしまうかもしれない…まさか、部長が…あんな計画を…。」
電話の向こうで、少女の声が聞こえた。
「…何をしているのかしら？」
直後、激しいノイズと共に通話が途切れ、後には沈黙だけが残された。
そのまま次のシーン…イベント●目標確認へ続く。
アドレスを入手し、千早アーコロジー内部のトロンルームへ向かった。
条件：リサーチフェイズの最初のシーン
登場：場所による
マクスウェルからの電話が切れた直後、"Ｄ"が通話相手を確認しに現れる。
彼女の目に止まれば、フェイトもまた危険因子として認識される。
近くの監視カメラが、一瞬その動きを止めたかと思うと、『フェイト』の方へと向き直った。
その次の瞬間、強烈な光と共にホログラムの少女が現れる。
（ウェットであれば）「…ＩＤをスキャンできない…。あなた、何者なの？」
（マクスウェルについて）「…彼には協力してもらわなければならないの。」
『フェイト』の姿を確認すると帰っていく。
マクスウェルの事について尋ねても、曖昧な答えしか返してくれない。
条件：IANUSが正常な状態で、N◎VAの街中を歩く。
登場：場所による
このイベントは、何度も発生する可能性がある。 他者と接触した時、場所を移動した時など…うんざりさせない程度に発生させるといいかも。
『ニューロ』は、不意に誰かにアクセスされた事に気が付く。
辺りを見回して調べると、そこには公衆ＤＡＫがあるだけだった。
『ニューロ』の背筋に悪寒が走る。
"Ｄ"と初めて出会った時にも感じた、何とも言えない妙な感じだ。
"THING"…キミは、誰かに監視されているのかもしれない。
不可能：神崎誠次による《買収》で準備されているため、神業以外では無効化できない…としておこう。 稀に、ローラー作戦を提案するプレイヤーがいるかもしれないしね。
監視されているような気がするだけで、実害は特に無い。
ひとつひとつのＤＡＫを無力化していく事は事実上不可能である。
（N◎VAの街に何台設置されていると思うんだい？）
条件：録画された映像を調べた
登場：場所による
神崎 誠次の死亡当時の記録を参照する。
記録は、マクスウェルによる《完全偽装》で改竄されているため、
神崎誠次の死には、特に不自然なところは見つからない。
《完全偽装》：打ち消された場合には、イベント「●真実」へ移行する。
マクスウェルによる《完全偽装》により、記録されたデータは、改竄されていた。
偽りの記録が再生を始める。
薄暗い部屋の中で、神崎がホロジェクターを睨み付けている。
神崎「…失態が "上" に露見するのも、時間の問題と言う事か。」
神崎は、銃を手に取り、自分の頭に押しつけると、引き金を引く。
響き渡る銃声。
脳髄を破壊され、力を失った身体が床へ崩れ落ちた。
《完全偽装》が打ち消されなければ、記録の再生は無事に終了する。
（この後、神崎の部下である研究員に話を聞く事ができるだろう。）
条件：RLが展開を急がせたい時や、中だるみしてきた時
登場：場所による
連絡の無さに困り果てた九条が、『トーキー』に記事を急がせるシーン。
必ずしも必要な訳ではなく、主に「巻き」を入れたい時に使う。
突如、『トーキー』のK-Taiが激しく鳴り始めた。
発信元のアドレスは…九条政次のものだ。
状況に合わせて、次の中から使い分ける事。
「『トーキー』、どないなっとんのや、ネタは掴んだんか！？」
「早う早う！急いでくれや！こっちは他誌に頭下げて、紙面空けさせて待っとるんやで！」
「こんな事は言いた無いんやが…このままやったら、ウチもオマエを…見捨てなあかんで…。」
九条政次は、言いたい事だけ言って電話を切ってしまう。
しかし、プレイヤーが行き詰まってるようなら、相談相手になってくれるかもしれない。
条件：篠塚隼人が、軌道から来た人間だという事に気が付いた
登場：キャストは登場不可
篠塚と"Ｄ"が会話するシーン。
ただし、ほぼ一方的に篠塚が"Ｄ"を言いくるめるような状態である。
高らかな靴音を立て、その男は少女──"Ｄ"の前に現れた。
「──キミの存在する意味を教えに来た。本来の役目を、思い出させてやろうじゃないか。」
「まだ目覚めたばかりか…自分が何をしていいかも、よく解っていないようだ。」
「まだ時間は十分にある。キミが理解できるまで、ゆっくりと話をしてあげよう。」
（ペルソナをハイランダーに変え）「キミも私も、地上人などよりも遙かに素晴らしい存在だ。」
"Ｄ"は篠塚の言葉に興味を示し、篠塚が語り始めたところでシーンは終了する。
条件：ふたつの《完全偽装》のうち、どちらかが破られた
登場：キャストは登場不可
篠崎に同調した"Ｄ"が、危険因子の排除を行う。
《電脳神》によって、危険因子に認定された人間達のIDが、徐々に書き換えられてゆく。
IDを書き換えられた人々は、トロンを使えなくなってしまう。
電脳化社会から弾き出された人々が混乱に陥る様子を描くシーン。
薄暗かったトロンルームに、目が眩みそうなほどの光が満ちる。
ホロジェクターに映るN◎VAの街並みを見下ろし、篠塚は、鮫のように笑った。
「さて。そろそろ、我々に逆らう愚か者共を、N◎VAから排除しよう。」
「計画を最終段階に。今日から、私とキミがN◎VAを支配するのだ。」
「優先度Ａの危険因子のIDを変更しました。」
「IDを必要とする全てのトロンは、危険因子を認識しなくなります。」
《電脳神》《真実》：当然、他の神業でもＯＫだ。
条件：《電脳神》で記録を見るか、《真実》でマクスウェルから聞き出す
登場：場所による
マクスウェルの口から、あるいはトロンに残された真実から、神崎誠次の死の真相が明かされる。
そこは薄暗いトロンルームの中。
神崎誠次と、マクスウェルが話している。
２人の目の前には、重厚なトロンが１台。
「も…もう、もうこれ以上、アレを…"Ｄ"を制御することは……。」
マクスウェルの報告を受け、神崎は苦々しくトロンを睨み付ける。
「…失態が "上" に露見するのも、時間の問題と言う事か…。」
「部長、もう止めてください。間違っています。N◎VAを支配しようなんて…。」
マクスウェルの訴えに耳を貸す様子もなく、神崎は銃を手に取り、
トロンへ──"Ｄ"へと向けた。
神崎が引き金を引く瞬間、彼の腕が弾かれるように動き、彼の頭部へと狙いを付ける。
「…な、何っ!?」
響き渡る銃声。
脳髄を破壊され、神崎は床へ倒れ込んだ。
冷たくなっていく身体を、震えながら見つめるマクスウェル。
青白く光を放つホロジェクターが、彼の横顔を照らす。
ホロジェクターに表示されたのは、ただ一言のメッセージ。
「──あなたも敵なの？」
キャスト達が真実を知った後、イベント「●世界を我が手に」が発生する。
実際にプレイした時には、エキストラの噂話と言う形で、達成値10以下の情報を次々と与えた。 リサーチが難航すると思ったなら、その場に相応しいエキストラを用意し、ヒントを与えよう。
ここに記された情報は、判定以外にも、ゲスト（あるいはエキストラ）との会話など、あらゆる手段で入手できる可能性がある。
入手しても不自然ではない、と思える状況であれば、判定の必要なく情報を与えて構わない。
リサーチフェイズ開始時に調べることのできる項目は以下の５つになるだろう。
『Ｄ計画』は、《完全偽装》によって偽装されている事を宣言してしまってもいい。
目標値16に達すると、イベント「●悪魔の囁き」が発生する。
稀に、どうしても無効化したい！と強く主張するプレイヤーがいるかもしれない。
クライマックスの舞台は、神崎誠次が《買収》で用意したトロンルームである。
千早のアーコロジーはホワイトだが、トロンルームの中はレッド・エリアになっている。
従って、キャスト達はこのトロンルームの中で携帯判定を行う必要は無い。
トロンルームへ踏み込むと、篠塚と"Ｄ"が待ち受けている。
一応、篠塚はキャスト達に自分の下に付くよう命令するが、
その口調は傲慢極まりなく、とても従いたいとは思えない。
キャスト達が、篠原の命令を拒否すれば、
彼等は、自分達の計画を完全なものにするために、キャスト達を排除しようとする。
エレベーターの扉が開くと、そこには広大な空間が広がっていた。
ビルの１フロアを丸々使ったそのトロンルームの中央には、
見たことも無いような大型のメインフレームと、無数のホロジェクター。
キャスト達が足を踏み入れると、目も眩まんばかりの光が放たれ、
メインフレームの前に、"Ｄ"が立っていた。
そして、メインフレームの影からゆっくりと姿を現したのは、
高級そうなスーツに身をつつんだ、軌道のエージェント…篠塚隼人。
「まさか、私が直接会う事になるとは思わなかったが…仕方ない。アクシデントは付きものだ。」
「家畜を管理するのは、主の役目だろう？」
（『トーキー』に）「地上に這いつくばる虫けらとは言え、なかなか鋭い勘を持っている。だが、私に逆らって、N◎VAで生きていけると思うなよ！」
（『フェイト』がウェットなら）「ふん。貴様等のような連中には、Ｘランクがお似合いだ。…が、我々の支配を受け入れるつもりなら、特別に市民ランクをくれてやろうじゃないか。原始人には贅沢な代物だがね。」
（『クグツ』に）「地上人にしてはなかなか優秀だ。我々に忠誠を誓うのなら、使ってやってもいいぞ？」
「計画を変更します。優先度Ｓに類する危険因子の物理的排除を最優先事項に。」
（『ニューロ』に）「あなたを危険因子と判断しました。排除します。」
（『フェイト』に）「私の『網』に捕らえられない…あなたは致命的なエラーを発生させる可能性がある。」
篠塚本人を倒すことが出来た場合、篠塚は怨嗟の声をあげ、倒れる。
描写は、"Ｄ"を倒した時のもの。
メインフレームの表面に灯っていた光点が、ひとつ、またひとつと消えていく。
光が消えるたびに、"Ｄ"のホログラムにはノイズが増え、
気が付けば、彼女の下半身は、もはや意味を持たないデータに化けていた。
『Ｄ計画』が崩壊する時がやってきたのだ。
「…そんな、馬鹿な… この私が、地上人どもに……!?」
「完全な…支配…計画が……！」
「…ああ……消えて…しまう…。」
上手にアクトが進めば、シナリオに書いてあるエンディングは役に立たないだろう…と言うのが本音だ。
同じエンディングにたどり着くシナリオなんて、プレイしていても面白くないだろう。
３回のプレイ中、２回"Ｄ"は生きていた。 そう言う場合は、『ニューロ』と"Ｄ"が再開するエンディングでも演出してくれ。
"Ｄ"が死んだ場合のエンディング。
ホログラムは、もはや原形を留めてはいない。
あと２秒ほどで、"Ｄ"と呼ばれたＡＩは、世界から消滅するのだ。
データの海から生まれた存在が、データの海へと帰ろうとしている。
「…消え……たく…ない……。」
"Ｄ"は消滅する。後には、物言わぬトロンと、膨大な…もはや無駄なものになってしまったデータが残るのみ。
（《完全偽装》の使い方によるが）おそらく、千早重工のイメージダウンは免れない。
うまくやっていれば、早川美沙は報告に満足して、『クグツ』には休暇が与えられるが、
そうでなければ…次のようになるだろう。
「セキュリティホールの存在は、大きなイメージダウンになりそうね…。」
報告書を読み上げた早川美沙は、それを机の上に置くと、『クグツ』をじっと見つめた。
「まだ、挽回はできる。これからが重要よ。千早重工の、企業としての姿勢が問われるわ。」
（『クグツ』が去ってから）「しばらくは、毎日残業か。とほほ…。」
千早重工は、企業としての誠意を示し、IANUSを無償提供する事を発表する。
今現在、IANUSの購入レートが0なのはそのためだ。
篠塚と神崎の関係、あるいは『Ｄ計画』を《暴露》することで、『トーキー』に与えられていた[抹殺]ダメージは回復する。
N◎VAスポも復刊し、再び編集部には活気が戻る。
記者達が走り回り、編集の怒鳴り声が聞こえる。
活気を取り戻した編集部を満足そうに見回して、九条政次が微笑んだ。
あんじょう：ナニワ言葉。上手く、よろしく などの意味。
「いやいや。さすがは『トーキー』やなぁ。きっとやってくれる、そう思っとったで！」
「これからも、あんじょう頼んまっせ！」
『トーキー』もN◎VAスポも、いつも通りの日常に戻る。
事実を知っているマクスウェルは、千早重工からやっかい払いされてしまう。
N◎VAを離れる前の夜、一年前のあの日と同じ店で、同じように酒を飲み、語り明かす。
合成ウィスキーを飲み干すと、マクスウェルは軽くため息をついた。
「また、しばらく……しばらく、会えなくなりそうだ。」
「…今回も、また。キミに助けられたよ。」
「会社から辞令を受けたよ。しばらくN◎VAを離れて、ゆっくり仕事をしてこいってさ…。」
「キミは最高の友人だった。M○●Nに来る事があったら、歓迎するよ。」
別れを告げると、マクスウェルはM○●Nへと転勤する。
技能のレベルや装備は、基本的にメイクアップ程度。（多少色が付けてあったり、技能の入れ替えぐらいはしてある）
キャストがメイクアップである事を前提としているので、キャストの強さによっては、変更した方がいいだろう。
エグゼク=エグゼク◎、クグツ●
♠:7/15 ♣:2/10 ♥:5/11 ♦:7/12
『Ｄ計画』のために、軌道上から千早重工へと送り込まれてきたエージェント。 《買収》２回は、それぞれオープニングにも登場するトロンルームを購入するために１回、DAKの製造会社を買収し、N◎VA中にスキャン用DAKを設置するために１回使用され、《完全偽装》は『Ｄ計画』の存在を隠すために使用しているため、キャスト達の目に見える形で神業を使う事は無い。
タタラ◎、クグツ●、ニューロ
♠:9/15 ♣:3/12 ♥:4/9 ♦:5/12
〈スーパードクター〉、〈超スピード作業〉、〈マルチワーク〉、〈パワーサージ〉など
新型IANUS開発プロジェクトのチームリーダー。『フェイト』の友人でもある。 最も優秀で上司に従順な彼が選ばれた。 神崎が"Ｄ"によって殺された後は、死への恐怖から"Ｄ"に従う事になる。 《タイムリー》は、"Ｄ"を質量のあるホログラムにする（肉体を用意する）ために使用。 《完全偽装》は、オープニングでの事件の真相を隠すのに使用されている。 《電脳神》はシナリオを円滑に進めるために使用する。 基本的にカット進行には参加しない。
クロマク◎、ハイランダー、イヌ●
♠:6/13 ♣:5/13 ♥:3/9 ♦:7/13
〈守護天使〉、〈泰然自若〉、〈子飼い〉、〈フリーズ〉など
神崎同様、『Ｄ計画』のために、軌道からセニットへ送られてきたエージェント。 《制裁》はトーキーに[抹殺]ダメージを与えるために、 《天罰》は、クレッドクリスの廃止法案を可決させるために使用している。
カタナ◎、チャクラ、カゲムシャ●
♠:6/13 ♣:5/14 ♥:8/14 ♦:2/7
〈居合い〉、〈修羅〉、〈乾坤一擲〉、〈写し技〉など
篠塚隼人の《腹心》。 アクト中で登場するのは、クライマックスからエンディングにかけての事になるだろう。 カット進行中に篠塚隼人が死んだ場合、《神出鬼没》の後に《黄泉還り》し、《死の舞踏》を放ってくる。 死ななければ、エンディングフェイズで法的制裁を受けるであろう篠塚と入れ替わり、事件の黒幕は闇の中へと消える。
ハイランダー●、ニューロ=ニューロ◎
♠:8/15 ♣:6/15 ♥:0/3 ♦:7/15
〈守護天使〉、〈パワーサージ〉、〈虫使い〉、〈ヴィジョナリー〉、〈ポルターガイスト〉など
目覚めた直後は、自分が何をしていいのかも解らないまま、 元々自分にプログラムされていた「危険因子の抽出」を淡々とこなすのみだったが、 篠塚の思想に呼応し、歪んだ方向へと成長してしまう。 ２発の《電脳神》のうち１つは、自身の姿を世間から隠すために使用している。 もう１つは、イベント「●世界を我が手に」で使用される。 《天罰》の使い方は、その時々で臨機応変に。 カット進行での攻撃や防御に使うのは、あまり上手い使い方ではないだろうが。