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リサーチの進行管理① —

N◎VAのリサーチについて考える。
前提条件として、TNDのSSS形式でシナリオが準備されているものとする。


リサーチの管理方法をプレイヤーに情報項目を開示するか、しないかで大別する。
利点の裏返しがそのまま他の欠点になるため、どうしようもない欠点のみを記述し、
ほかはすべて利点となるように記述した。
■ 項目開示型
 ▼ 予期せぬ展開を防ぎ、ストーリー進行の管理が楽になる
 ▼ リサーチ中に選択肢不足で行き詰る事が無い
 ▽ 〈シャーロックホームズ〉などの一部特技が価値を失う
■ 項目隠蔽型
 ▼ プレイヤーが謎解きの要素を楽しめる
 ▼ プレイヤー次第でキャストの能力を上回る活躍が可能
同様に、目標値についても開示するか、しないかで大別する。
■ 目標値開示型
 ▼ プレイヤーの手札管理が楽になる
 ▼ 情報の重要性を認識させる事ができる
 ▼ 無駄な報酬点や手札を消費しなくて済む
■ 目標値隠蔽型
 ▼ プレイヤーの緊張感を保つ事ができる
 ▽ 常に全力での判定を要求してしまう
多くの場合は、これらの組み合わせ、つまり次の4つになる。
■ 項目開示・達成値開示型
  事前に複数の選択肢を提示することで、予想外の行動を取るプレイヤーは減り、
 リサーチの進行管理は楽になる。演出を除けば、アドリブはほとんど発生しない。
  判定の成否が事前に解り、プレイヤーは現在のリソースを最大限に利用できるため、
 リサーチにおいて「詰む」事は無いが、プレイヤーの考える余地は奪われ、
 ブレイクスルー要素である一部の情報系特技は無意味なものになる事が多い。
  プレイヤーの性質に寄らず、キャストの性能だけを発揮させる事ができる。
■ 項目開示・達成値隠蔽型
  事前に複数の選択肢を提示することで、予想外の行動を取るプレイヤーは減り、
 リサーチの進行管理は楽になる。演出を除けば、アドリブはほとんど発生しない。
  判定の成否が解らないため、プレイヤーのリソースの消費は増え、
 リソース確保(主に手札回しなど)のために、余分な時間を消耗する場合がある。
  リサーチにおいて「詰む」可能性は低いが、ブレイクスルー要素である
 一部の情報系特技は無意味なものになる可能性が高い。
  キャストの性能を発揮するためには、プレイヤーの慣れが必要になる。
■ 項目隠蔽・達成値開示型
  プレイヤーの選択によってアドリブを要求される可能性が増え、
 予期せぬ展開を招きやすく、リサーチの進行管理は難しくなる。
  判定の成否は直前に判明するが、現在のリソースが成功を許さない場合があり、
 目標値だけ聞いて判定は後回し、という手法がありえるため、リサーチが滞りがち。
 また、プレイヤーの発想の外に項目が存在した場合、「詰む」可能性がある。
  キャストの性能を発揮するためには、プレイヤーの思考力、想像力が要求される。
■ 項目隠蔽・達成値隠蔽型
  プレイヤーの選択によってアドリブを要求される可能性が増え、
 予期せぬ展開を招きやすく、リサーチの進行管理は難しくなる。
  判定の成否が解らないため、プレイヤーは常に最大のリソース消費を要求される。
 リソースを浪費した結果、リサーチにおいて「詰む」可能性が高い。
  プレイヤーを悩ませる場合が多く、結果としてリサーチが滞る可能性が高い。
  キャストの性能を発揮するために、プレイヤー自身がN◎VAに熟練している必要がある。
 不特定多数の人間を相手にするコンベンションなら、失敗する確率の低い項目開示・達成値開示型が良いと思われる。
 仲間内に口下手な人間がいるのなら、プレイヤースキルに依存しづらい項目開示型が良いだろうし、キャストを最適化して高達成値で項目を次々と剥いてしまう人間がいるなら、項目隠蔽型がいいだろう。
 シナリオに謎解きの要素を含み、プレイヤーにびっくりしてもらいたいのなら、キャストに移入してもらうために、項目隠蔽・達成値隠蔽型を使うべきだと思う。
まあ、結論としては「臨機応変に」って事なんだけど……。
次はこれらの問題点を解決するための方法について考察してみたいなぁ、と。
ちなみにららら的進行管理は項目開示・達成値開示型です。
このエントリの内容は偏ってる可能性があります。


Categorised as:トーキョーN◎VA

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One Comment

  1. みどりの鯨より:

    リサーチフェイズの管理について

    ららら日記。さんのリサーチの進行管理〓で、N◎VAのリサーチフェイズの管理方法を