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TRPGについていろいろ書いたり。ツールとか置いてあったり。

『D&D3.5e』カテゴリーの記事

最終戦争の影#3 —

前回の続きから。

  • ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク
  • ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。
  • メイ:武器防具無し筋力8のスペルシェイパーな魔術領域クレリック。キュア最大化。

キースはマジで殺しに来てると思いました。

人の気配がしなくなった『ローズ・クオリー』を探索する3人。
だが、クレリックやウィザードはおろか、倒した兵士の死体すら見当たらない。
「……マズイ状況かも知れない」
大きな建物の跡地に踏み入ると、床一面に精巧な地図が描かれていた。
床を覆っていたはずのガラス質はすっかり剥がされており、部屋の隅には瓦礫が寄せられている。
左右と正面には、赤、白、黒の石で造られた大きな暖炉があるが、その装飾であったはずの彫像は無残にも砕かれていた。
部屋を隅々まで探索したところ、彫像の断面の色が違い、最近砕かれたものであると判明。
彫像の欠片をかき集めてパズル・ゲーム開始。

1泊あったので、敵は情報を入手して移動開始。追撃を防ぐべく彫像を全部破壊して、瓦礫は暖炉の中に放り込んでおきました。
床の地図は傷つけると後々自分たちが困るかもしれないし、ピンポイントで削ったらヒントを与えるようなものなので手をつけず。

DM「……そして赤い欠片に『ホワイトハース』の文字」
PL「『ホワイトハース』あった!」
PL「白の印北6とか赤の印南東15とかは座標か?」
PL「赤い欠片の座標は?」
DM「『北西9』と、『西4』があった……あと『黒の印』と『白の印』もそれぞれあった」
PL「なんでバラバラなんだよ!」
PL「でも4ヶ所まで絞り込めた。後はなんとかなるだろ」
ここでミスひとつ。エラドレン嬢の手紙のコピーを渡してなかった。
手紙にはちゃんと、『ホワイトハース』が「サイアリにある」って書いてあるんだよね。
PL「数字は何だ?マイルか?」
PL「9……マス?」
PL「でも部屋は10マスしかない。15とかあるからマスは違う」
PL「じゃあやっぱりマイルか。印起点にして北西に9マイルか西に4マイル」

DMは(出遅れて像が破壊された分を抜きとしても)ここで「9歩」と言う解答が出せるとは思ってない。
地図と起点が明確に記入されている訳でもないし、正しい起点と方角がわかった時点でクリアとした。

DM「という事で次の目的地は『モーンランド』となりまーす」
PL「どんなとこ?」
DM「(プレイヤーズガイド&ファイブ・ネイションズ参照中)とりあえず〈知識〉振るがよい」
PL「〈知識:自然〉15まで」
DM「えーとモーンランドは…………え」
PL「どうした」
DM「『モーンランドにいるあいだ、自然治癒および治癒系統呪文は機能しない』」
PL「……は?」
DM「『治癒系統呪文は機能しない』そうです」
PL「え……ちょっとまって」
DM「はい」
PL「メイ(《昼と夜に精通》したマニフェスト・スペルシェイパー)の存在意義が」
DM「はい」
PL「本来は2レベル用シナリオ……ですよね?」
DM「はい」
PL「いや、普通に無理だよね?死ぬよね?」
DM「キース△」
PL「何か回復できるもの無いの?」
DM「パラディンのレイオンハンドなら問題なく。あ、グッドベリー・ワインで8点治せる」
PL「ワインいくら?」
DM「250gp」
PL「キイイィィス!」

いやー、キース△!キースさんの殺意パネェ!

DM「覚悟が決まったら移動しますよー」
PL「死んだらパラディンとウォーフォージドでキャラ作り直そうぜ」
PL「だな」
渋々ながら移動を開始……したいところだが
DM「じゃあフェイリンが「敵が先行してるんだろう?運賃に加えて危険手当を頂きたいな」って言う」
PL「マジで……今マジでお金無いんだけど」
PL「拾ったばかりの魔法がかかった金杯で何とかしてもらえないかな。モーンランドでランダムエンカウントとかあり得ない」
拾ったばかりの金杯を譲り渡して、3人は死地モーンランドへ向かうのでした。まる。

前回の続きから。 ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。 メイ:武器防具無し筋力8のスペルシェイパーな魔術領域 […]

最終戦争の影#2 —

前回の続きから。

  • ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク
  • ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。
  • メイ:武器防具無し筋力8のスペルシェイパーな魔術領域クレリック。キュア最大化。

「既製シナリオはPCを殺すようにできていない。殺せるチャンスはランダムエンカウントだけだ」 (ケンPL@赤手DM)

『ブラッディ・マーケット』に到着して程なく、『フェイリン』を発見。
人間が少ない(ダーグーンの住人は8割ゴブリン類である)ため、探すのは容易だった。
『フェイリン』は『ローズ・クオリー』への道案内を180gpで引き受けると言う。
3人の所持金は少なかったが、今後の事を考えると、ここで値切るべきではないと判断した。
マーケットの外れへと向かう4人の前に、2人のバグベアが立ちふさがる。
「イカサマ野郎!金を返しやがれ!」
「何を言う。あれは正当なギャンブルだったはずだ」
3人があっという間にバグベアを叩きのめすと、『フェイリン』は悪びれた様子もなく言った。
「助かった。バグベア共は騙しやすいが、血の気が多くていかん。早いところ街を出よう」

マーケットの外れで、『フェイリン』はドラゴンマークを掲げ岩の中から車両を呼び出す。
「それは?」
「エレメンタル・バギーだ。アース・エレメンタルの力で走る。さあ乗れ、先は長いぞ」

エレメンタル・バギーはどんな悪路をも走破する能力を持ち、その速度はケンタウロスをも上回る。
大した危険も無く、3日目の夜には『ローズ・クオリー』に到着した。
「この丘の向こうがローズ・クオリーだ。だった、と言うべきかな。危険があるようなので、私はここで待つ」

丘を超えると、明かりが見える。
焚き火の周りに、5つ6つの人影が見て取れた。
(……多いな)
(夜は分が悪い。日が昇るのを待とう)
3人はその場を離れ、『フェイリン』の元へ戻り、バギーで数マイル離れて野営を始めた。

翌朝戻ってくると、焼け落ちた建物の周りはガラス質の何かで固まっているのが見て取れる。
今ではないずっと昔に、凄まじい熱量が『ローズ・クオリー』を襲ったのだ。
(5、6……7人か。思ったより人数が多い)
(全員じゃないだろう。クレリックかウィザードか、キャスターがいるはずだ)

野営地を避けて回りこもうとした所で、ガラス質に覆われたゾンビと出会う。
ゾンビを砕く音を聞きつけ、野営地から何人かの兵士が。
さらにはクレリックとウィザードが駆け寄り、たちまち乱戦となる。

消耗しながらも兵士を倒すと、ウィザードとクレリックが『ローズ・クオリー』の奥へ逃げていく。
深追いは危険だと判断し、呪文を覚えなおすべく、再度離れて野営を行う。

……そんな野営で大丈夫か?

DM「”蝕”(事故率の高いランダム・エンカウントを示す某所の方言)は?」
PL「呼ぶ。金が無いから当然呼ぶ」
DM「一度”蝕”を呼ぶとキャンセルは聞かないが大丈夫か?」
PL「一番いい”蝕”を頼む」

DM「野営中のランダムエンカウント……出た?D3を振ってね!1回でいいよ!」
PL「……3」
DM「聞き耳を振ってね!視認も振っていいよ!」
PL「うちのPTローグいねーから!」
DM「じゃあ、3体の棍棒を持った大型の生物が60ftぐらいのところで見えたよ!」
PL「棍棒」
PL「おい脅威度ヤバい死ぬ」

DM「《強打》全部載せてクラブを振り回すオーガ△!」
PL「残りHPは?」
PL「次当たったら死ぬ。-10まであり得る」
DM「オーガさん①が「自慢じゃないが「ダーグーンのイチローですね」と言われた事もある」って言うwww」
PL「ちっくしょう、調子に乗りやがって」
DM「オーガさん②がクレリックを機会攻撃範囲に収めて、オーガさん③はケンを挟撃位置に移動」
PL「あっ」
PL「……死ぬなコレ」

結局、『フェイリン』がイニシアチブを遅らせ、機会攻撃をなんとか回避した3人がバギーに乗り込む。
一回走りだしたらオーガさんじゃ追いつけないので、この遭遇は終了。

這々の体で一泊し、翌朝『ローズ・クオリー』へ戻ると……

そこにはもう誰もいませんでした。

前回の続きから。 ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。 メイ:武器防具無し筋力8のスペルシェイパーな魔術領域 […]

最終戦争の影#1 —

前回の続きから。

  • ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク
  • ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。二刀流は(再訓練で)無かったことになった。
  • メイ:盾、鎧、武器を一切身に付けない筋力8の魔術領域クレリック。

キース・ベイカーの底知れぬ悪意に戦慄した!

ある日雨の降る夜、伝達所が何者かによって襲撃されているのを発見。
言葉を濁す伝達員から、『エラドレン・ド゠カニス』からのメッセージだという事を聞き出し、急ぎ『壊れた金床亭』へ。
エラドレン嬢との再開。間髪入れずウォーフォージド『カトラス』とコボルトによる襲撃。
カトラスがロングソードを抜き放つ。魔剣が放つ魔力光が金床亭を照らす。PLの眼の色が変わる。
襲撃者が動かなくなった事を確認すると、エラドレン嬢は3人に革の背負い袋を押し付け、夜の闇へ消える。
背負い袋を開き、魔法の品『ヒューワーズ・ハンディ・ハヴァサック』である事が解りPL一同喜色満面。
中には手紙と2000gp相当の金貨と白金貨、そして奇妙な棒状の物体が。
手紙には『モーンランド』の『ホワイトハース』で『スキーマ』を回収してくるように、との指令が。
それも、「できるだけ早く」だ。
まずは『ダーグーン』に向かい、『フェイリン』の協力を得、『ローズ・クオリー』で情報を入手せよ、との事。
十分な前金を貰い、一行は旅の準備を整える。

……あれ?キース?ちょっといいかな?何か大切な事を忘れているんじゃないかな?

DM「結論としては、船『エレメンタル・ガレオン』ルートと列車『ライトニング・レイル』ルートと徒歩ルートがあるんだけど」
PL「徒歩ってどれくらいかかるの?」
DM「そーね、大陸を半分横断するぐらいの距離があるね」
PL「ねーよwww」
DM「ですよねー」

PL「徒歩は遅いしランダムエンカウントとか死ぬるから。やっぱ船だな。船賃は?」
DM「えーと…………え?あれ?なにこれマジで?」
PL「……いくらかかるの?」
DM「(試算中)…………一人頭1000gpぐらいかかるね。」
PL「は?」
DM「(地図確認中)5sp/マイルで、シャーンからダーグーンまでを海路。岬を回るから軽く2000マイルぐらいある」
※シナリオ上4日で到着するので、停泊時間を考慮しなければ(0.5gp/マイル)×(20マイル/時間)×4日 ≒ 960gp
PL「……」
DM「どーする?」

PL「船は高価だし襲撃されて死ぬるし高価だからやめようぜ。ライトニング・レイルだな」
DM「ダーグーンまではレイルが通ってないから、乗れるのは3日まで。途中からはキャラバンに同行して12日ばかり徒歩ね」
PL「安く上がるならまあ……」
DM「(試算中)……あれ?」
PL「ちょ」
DM「遠回りになるから値段変わらない感じ?かも?」
※停車時間を考慮しなければ(0.5gp/マイル)×(30マイル/時間)×3日 ≒ 1080gp
PL「……船でお願いします」

DM「3名様で3000gpになりまーす」
PL「……ハヴァサックの中身2000gpしか無いんだけど」
DM「3000gpになりまーす☆ミ」
PL「魔剣売るよ!なんだよこれ!ぬか喜びかよ!」
DM「いやー、与えた報酬を即奪い取るキースさんパネェ。」
PL「……これ普通にPC4人いたらハヴァサックも売らなきゃいけないじゃん?」
DM「悪意を感じるね!キース△!」

もちろん船の上ではスケルトンの襲撃があったりしたんだけど、まあそれはよくある話なので割愛。
*無事*にダーグーンに到着しましたよ!

前回の続きから。 ラウ:素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク ケン:盾装備と両手持ちを華麗に切り替えて戦うHFO。二刀流は(再訓練で)無かったことになった。 メイ:盾、 […]

忘れられた鋳造所 —

エベロンキャンペーン、はじまります。
公式シナリオだけど、もう3.5e展開終わったし多少ネタバレでもいいよね!

■レギュレーション

  • キャラクターはポイントバイ(32pt)で作成。
  • プレイヤーが使用可能なルールブックは以下の通り。
    • プレイヤーズ・ハンドブック
    • ダンジョン・マスターズ・ガイド
    • モンスター・マニュアル
    • プレイヤーズ・ハンドブックⅡ
    • エベロン・プレイヤーズ・ガイド
    • エベロン・ワールドガイド
  • 25ch(半値)のワンドを買って良い。
  • 再訓練は好きにして良い。
  • 死んでも泣かない。

シナリオは1レベル向けだけど、久しぶりの3.5eだし、相変わらずプレイヤー3人なので、ちょっとヌルめに2lvスタート。
その分好きなキャラ投入していいよ!と宣言したところ、出来上がって来たのは……

  • 素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい格闘技を操るウッド・エルフのレンジャー/モンク
  • 盾装備と両手持ちと二刀流を華麗に切り替えて戦うHFO
  • 盾、鎧、武器を一切身に付けない筋力8の魔術領域クレリック

DM「……そんな面子で大丈夫か?」
PL「大丈夫だ、問題ない」

雷雨の夜、「塔の街」シャーンでワンドを買った帰りに殺人現場に出くわした3人。
犯人と思しきウォーフォージドを撃退し、警備隊長に状況を説明。
警備隊長は勇気ある行動に感銘を受け、3人を表彰した。

謎の人物から示唆され、「壊れた金床亭」に向かうと、
「エラドレン・ド・カニス」によって、シャーンの地下深くから「スキーマ」を回収するように依頼される。

地下の情報を集めるため、最下層のネズミ市場へ。
幾許かの銀貨を支払い、ゴブリンの協力を取り付ける。
何者かに監視されていたが、追うことはできなかった。

下水道へ潜ってすぐ、ウォーフォージドとシフターの襲撃を受ける。
素手攻撃とギザームを組み合わせた全く新しい制空圏で牽制され、
買い立てほやほやのワンドからマジックミサイルを連発してウォーフォージドを削り殺す。
お前のようなクレリックがいるか!

封じられた扉を開き、カニスの廃墟へ踏み込む。
ビートル・スウォームの襲撃を受けるが、2レベルスタートの罠が炸裂。
陽光棒ばかりで松明が1本しか無いという大惨事。どこか(赤手)で見た光景再び。
死にそうになりながら、錬金術師の火を何本も地面に叩き付けて焼き払う。
これはひどい。

当然のように鋳造所の鍵が開けられない。
周囲をうろうろしているうちに、ホリッド・ラットに奇襲される。
ラットは当然のように鎧を着てないクレリックから狙う。ばっちり感染。

手詰まりとなったあげく、屋根の上に登り、崩落した天井から侵入。
アイアン・ディフェンダーが出てくるが、相手にもならない。
簡単なパズルをこなして、スキーマを回収。

鋳造所から出たところで、ウォーフォージドが現れる。
「セイバー」と名乗るウォーフォージドが、光を放つロングソードを抜き放ち、3人の眼の色が変わる。
両手持ちしたロングソードを強振するセイバーを無事に撃破し、魔剣を獲得。

エラドレンにスキーマを渡し、報酬を受け取る。

病気を治したり、鋳造所から回収した物品を処分したりしているうちに、7日が経過した。

エベロンキャンペーン、はじまります。 公式シナリオだけど、もう3.5e展開終わったし多少ネタバレでもいいよね! ■レギュレーション キャラクターはポイントバイ(32pt)で作成。 プレイヤーが使用可能なルールブックは以下 […]

夜牙塔地図:第一階層(pdf) —

日本一の夜牙塔好きを自称するために地図を作成してみた。
今のところ使う予定なんてないんだけど!
3.5e用にサイズは拡大してあるから注意!
夜牙塔第一階層(pdf 4.91KB)
コンビニの印刷サービス(ネットプリントとか)使うといいよ!

日本一の夜牙塔好きを自称するために地図を作成してみた。 今のところ使う予定なんてないんだけど! 3.5e用にサイズは拡大してあるから注意! 夜牙塔第一階層(pdf 4.91KB) コンビニの印刷サービス(ネットプリントと […]

赤い手は滅びのしるしメモ:6枚目 —

ブリンドル地図とメモ。

▼ブリンドル市街地図

①:門
東、西、南に1つずつある。”獅子”が駐留しているのもこの場所だ。
②:宿屋『石竜亭』
我々の拠点だ。代金は前払いして部屋を確保してある。テレポートで戻ってくるのもこの場所だ。
③:未踏
④:シャンクの刃物屋
⑤:青空市場
もはやすっからかんだ。
⑥:酒場『呑み足りないゾンビ亭』
あいにく我々には酒を飲んでいる時間はない。
⑦:赤の魔法雑貨店
イマースタルが留守の時を狙って訪ねる必要がある。
⑧:ヤンダーラの杜
よく考えれば行ったことがないな。
⑨:酒場『おくびょうガラス亭』
⑩:ヴェロリアン劇場
よく考えれば行ったことがないな。
⑪:ブリンドル学院
学生達も戦争に駆り出されるようだ。
⑫:酒場『笑うマンティコア亭』
あいにく我々には酒を飲んでいる時間はない。
⑬:カールの屋敷
大きな屋敷だ。主であるカール女史もただ者ではない。
⑭:未踏
屋敷が建っているが、我々には縁がなさそうだ。
⑮:棺桶屋
大繁盛のようだ。仕方のないことだが。
⑯:聖堂広場
マンティコアが飛び込んできたのがここだ。
⑰:ペイロア大聖堂
“黄金の眉持つ”トレドラも普段はここにいるようだ。
⑱:ブリンドル砦
ジャルマース卿の住む砦だ。
⑲:未踏
大きな屋敷のようだが、我々には縁がなさそうだ。
⑳:ブリンドル墓地
世話にならぬように気をつけなくてはな。
㉑:ウィー・ジャス寺院
彼らもまた、ブリンドルのために力を尽くしているようだ。

ブリンドル地図とメモ。 ▼ブリンドル市街地図 ①:門 東、西、南に1つずつある。”獅子”が駐留しているのもこの場所だ。 ②:宿屋『石竜亭』 我々の拠点だ。代金は前払いして部屋を確保してある。テレポ […]

赤い手は滅びのしるし -戦神編- 3章 第4話 —

▼前回までのあらすじ

『レベル上げたいよ!一人だけレベル低いのツラいよ!』
『うーむ……確かに。戦争に入る前にレベルは上げておきたい……』
『日数は余りまくってるから、蝕を喚ぶか?』
『蝕は喚んでおこう。24時間化したマス・レッサー・ヴィゴーがあれば連戦もいける』
『あ、24時間化だけど、リサイテイションにしないか』
リサイテイション……攻撃、AC、セーヴに+3幸運ボーナス……!?』
『なん……だと……!?』
(※蝕を喚ぶ:経験点目的にランダムエンカウントを誘発する事を指す某所の造語。大抵裏目に出る)

▼プレイリポート(以下アドリアン視点)

(プレイ結果を元に捏造分が含まれています。ご注意ください)

経箱

「……半信半疑だったが」
「現実になるとは思わなかったな」
翌日、我々の手元には経箱があった。
牙で作られた首飾りのようなそれからは、死霊術に疎い私にも判るほどの力が感じられる。
ミハは「上手に盗み出してきた」と言ったが、私にはそうは思えなかった。
昨日、アルワイは経箱を手放すつもりだと言っていた。
赤手どもは一度ミハを捕らえておきながら、わざわざ経箱を与えて開放したのだ。
……なぜだ?
経箱を持ち続けていれば、死霊王本人を動かす事もできたはずだ。
竜魔将共は、わざわざ切り札を捨てた事になる。
それとも、経箱を持ち続け……死霊王を”使う”事に、何か問題があったのか?
アルワイの口調からすれば、死霊王を完全に制する事はできていなかったようだ。
いつ牙を剥くか分からない死霊王よりは、ボーンドリンカーの方が使いやすいと考えたのだろうか。
あるいは……死霊王を、我々に始末させようと言うことなのか。
我々と死霊王を争わせ、戦力を削ろうと考えていてもおかしくはない。
「では、死霊王を討ち倒しに行くとしよう。経箱があれば容易い事だ」
「……ヘルシア、少し待ってくれ」
「アドリアン、まさか、臆したのか?」
「違う。だが……ここで死霊王と戦うのは、得策では無いかも知れんのだ」
「オルト。先日の神託で、ハイローニアスは何と言っていた?」
「死霊王とは交渉の余地があるかと尋ねたところ”是”と」
「……だからと言って、リッチを見過ごすことはできない。違うか?」
「討ち倒すだけならいつでもできる。我々の目的は、リッチを倒す事ではなく──」
「──この戦争に勝つ事、か」
「そう言う事だ。とりあえずは、スクライングで様子を伺うとしよう」
「……素直に交渉に応じてくれればいいがな」
「応じなければ、その時は討ち倒す。それで良いだろう」

死霊王

「……見えたぞ、死霊王だ」
経箱を手に取り、大鏡の前でスクライングを唱えること1時間。
暗い石造りの部屋の中に、干乾びた人影が見えた。
「……行くか?」
「いや、様子がおかしい……」
部屋の中でため息を吐き、傍らにうずくまるライオンのゴーストを撫でる死霊王。
ライオンは死霊王を慰めるかのように擦り寄るが、死霊王はがっくりと肩を落としつぶやく。
「……儂の経箱は、もう戻ってこんだろうな……どうしたらいいんじゃろうな……」
『なんぞこれwwwwwwwwwwwwwwwwww』
『死霊王カワイソスwwwwwwwwwwwwwwwww』
『なんでこんな凹んでるんだよwwwwwwwwww』
「どうした、アドリアン!何が見える!」
「……ううむ、いや……なんと言ったものか」
「何があったのですか!」
「……少し、死霊王と話してみる」
「何だ!何があったんだ!」
「アドリアン!何が起きているのか説明を!」
『どうするこれwwwwww』
『どうするって言われても……どうしたらいいんだよwww』
『このまま死霊王殺っちゃう?』
『いや、それは酷過ぎるwwwwww』
『これは和解しておきたいなwww』
皆の呼びかけを聞き流しながら、あらかじめ準備してあったメッセージでの通話を試みる。
「死霊王……死霊王よ」
大鏡を指差しつぶやくと、死霊王は顔を上げた。
どうやら、術を通す事には成功したらしい。
「……誰だ?」
「あなたの、経箱を持つもの。ハイローニアスの信徒です」
ガタン、と死霊王が立ち上がり、あたりを見回す。
「な……なぜ、儂の経箱を!?」
「赤手の者から、経箱を奪いました」
「儂の経箱を、どうするつもりだ……?」
「あなたに経箱を返そうと思っておりますが」
「何……?」
死霊王の顔色は変わらないが、言葉の節々には戸惑いが感じられる。
無理も無いだろう。本来ならば、この経箱は即座に破壊されて然るべきなのだ。
「……儂に、何かしろというのだな?」
「そちらへ伺います。詳しい話はそれからにしましょう」
「わかった……ライオン達には手を出さぬよう言いつけておく」
『……死霊王、案外いいヤツじゃね?』
『いや、それは……どうだろうwww』
『でも、経箱返せばずっと引きこもってそうだなぁ』

交渉

「──何もするな、と?」
「そう。我々と赤手との戦いに不干渉であって貰えればそれで良いのです」
「そんな事で良いのならそうしよう。儂は、経箱が戻って来るならばそれで良いのだ」
実を言えば、死霊王との交渉には少なからず不安があった。
死霊王を目の当たりにしたヘルシア、オルトあたりが剣を抜くのでは無いかと思っていた。
だが、実際に相対してみれば、そんな事は杞憂に過ぎなかった。
経箱を失った不安と、赤手との交渉で精神をすり減らた死霊王には、もはや誰かと争う気力も残っていなかったのだ。
ペイロアの信徒達ならば、死霊王の存在そのものを許すことは無いのだろう。
だが、我々はあのような狂信者とは違う。
戦う意思の無い相手に、我々の刃が向けられる事は無いのだ。
「では、この経箱はお返ししましょう」
死霊王に経箱を手渡し、我々は遺跡を後にした。

▼前回までのあらすじ 『レベル上げたいよ!一人だけレベル低いのツラいよ!』 『うーむ……確かに。戦争に入る前にレベルは上げておきたい……』 『日数は余りまくってるから、蝕を喚ぶか?』 『蝕は喚んでおこう。24時間化したマ […]

赤い手は滅びのしるし -戦神編- 3章 第3話 —

▼前回までのあらすじ

『……ガチで死霊王殺りにいくか?』
『ちょっと経験点が必要になったからな』

▼プレイリポート(以下アドリアン視点)

(プレイ結果を元に捏造分が含まれています。ご注意ください)

死霊王の根城

翌日。我々は再び茨の荒れ野に挑み、死霊王の根城を目前にしていた。
途中、数度に渡りライオンのゴーストが行く手を阻んだが、我々は止まることなく進み続けた。
「……これは、一度見たら忘れられんな」
テレポートで戻ってこられそうですか?」
「間違いなく」
死霊王の根城は、伏せたスフィンクスを模した大きな遺跡だった。
胸の部分には、15ftほどの穴が開いており、中には青い鱗が何枚か落ちている。
おそらくは、昨日のビーヒアのものか。
「入り口は……上か」
スフィンクスの口にあたる部分へ、フライディメンジョン・ドアで降り立つと、喉にあたる部分に扉が見える。
エオリアが扉の様子を調べ、そして硬直した。
そっとこちらを振り返り、扉を2度指差し、手で扉を押さえる真似をする。
(中から 誰か 扉を 抑えている)
フル・プレートの重い金属音が響く。
ヘルシアが一歩前に踏み出し、扉を強引に押し開く。
ゴブリンの後ろ姿が、あっという間に闇の中へ消えていった。
「……赤手の者か」
「行くぞ。おそらく、罠は無い」

撤退

螺旋階段を下りると、そこは一面霧に包まれていた。
濃密な霧は視界を遮るが、何も見えなくなるほどのものではない。
オブスキュアリング・ミストだ……呪文使」
次の瞬間、扉が勢い良く開かれ、数人のホブゴブリンが飛び込んできた。
奴等は妙な鎖のような武器を持ち、我々に組み付こうと強引に突進してくる。
普段の我々であれば、恐れるには足らぬ相手だが、ゴーストとの戦いで我々は疲弊していた。
「降伏なさい!」
扉の向こうから、呪文を唱える声とは別の声が聞こえる。
多少高く聞こえるその声は、おそらくホブゴブリンの女性のものだ。
苦戦は必死だろうが、降伏を受け入れるほどに勝ち目が無いわけではない。
視界を確保するため、ブラスト・オヴ・フレイムを唱える。
轟音と共に業火が吹き荒れ、霧が焼き払われると、ホブゴブリン達の形相が変わる。
彼等は自分の身が傷つくのを厭わず、我々を取り押さえようとしていた。
扉の向こうから、再度悲鳴のような声が聞こえる。
「死霊王の怒りに触れるわ!諸共に焼き払われたくなければ、帰りなさい!」
……今、なんと言った?
死霊王は、赤手の連中と手を結んでいるのでは無かったのか?
様子がおかしい。奴等も、完全に死霊王を掌握しているわけではないのか?
『……どうする?』
『万全ならともかく、ここに死霊王が加わると2人死ぬ』
『目的(テレポートの下見)は達成してるし、ここは受け入れるべきか』
「……いいだろう、今日のところは退こう!」
叫ぶと同時に一歩下がり、バッグ・オヴ・ホールディングを大きく開くと、その中にエオリアとアシムが飛び込んだ。
すかさずテレポートを唱え、我々はブリンドルへ撤退した。
余談だが、バッグ・オヴ・ホールディングを買って以来、人間か死体のどちらか以外を入れた事がない。
NAGOYAと言う単語が、時々聞こえるような気がする。
「あの声は……竜魔将だったのでしょうか?」
「……おそらくは。あの声の主が、アルワイなのだろう。例の手紙の主だ」
「少々毛色が違う相手のようですね」
とはいえ、敵には違いない。
声の主を明らかにするべく、スクライングを唱えると、アルワイの姿が映る。
比較的整った顔立ちをした、女性のホブゴブリンがそこにいた。
ホブゴブリンにしては、美人の部類に入るのだろう。
彼女の傍らには、身体の焦げたゴブリン達が寝かされていた。
まったく動かないところを見ると、死んでいるのだろう。
私の炎は命を奪うまでには至っていないはずだが……まさか、死霊王にやられたのか?
アルワイがゴブリン達を弔い始めたところで、その姿がぼやけて消えた。
「……敵に、借りができてしまったな」
「……戦場で会う前に、もう一度アルワイと話をしておきたい」
「明日、もう一度行くとしよう。スクライングを通すのはそれほど難しくない」
どちらにせよ、1日は休息が必要だ。我々は疲弊しすぎていた。
ペイロアの信者達とは違い、我々はアンデッド共との戦いを得意としているわけではない。
ゴーストの歪な生命力は、確実に我々の生気を蝕んでいた。
翌朝、レッサー・レストレーションレストレーションで力を取り戻した後、再度スクライングを唱える。
アルワイは砂漠を行軍していた。
引きずるような足音がいくつも聞こえる。
ゴブリンではないようだが、何か連れているのは間違いないようだ。
「行くぞ」
テレポートを唱え、私と、オルトと、ヘルシアの3人だけが、再び茨の荒れ野に降り立った。

撤退

アルワイは、奇妙なクリーチャー達をつれていた。
あれは確か、ボーンドリンカーというものだ。戦力として死霊王から借り受けたものなのだろう。
本来であれば、討ち倒さねばならぬ相手だが……。
我々の姿を確認すると、アルワイはボーンドリンカーを後ろに下げ、一人で前に出た。
こちらも、ヘルシアが一歩前に出る。
「竜魔将アルワイだな」
「……私を倒しに来たの?」
「いや。少し、聞きたい事がある」
「なぜ、あの時に警告した?」
「死霊王の力は私達の手には余るもの。彼をあまり刺激するのは得策ではないの」
「経箱はおそらく、近いうちにあなた達の手に渡る。私達の目的は達したわ」
「……”それ”がそうか」
「あなた達の相手にはならないでしょうけど」
「他には?もっと聞きたいことがあるのではないの?」
「本当なら、な。だが、私達には借りがある」
「次は、戦場で会おう」
「ええ」
結局、テレポートでその場を後にした。
戦えば討ち倒す事は容易だったが、我々の信念と信仰が、それを許さなかった。
「……厳しい戦争に、なりそうだな」

▼前回までのあらすじ 『……ガチで死霊王殺りにいくか?』 『ちょっと経験点が必要になったからな』 ▼プレイリポート(以下アドリアン視点) (プレイ結果を元に捏造分が含まれています。ご注意ください) 死霊王の根城 翌日。我 […]

赤い手は滅びのしるし -戦神編- 3章 第2話 —

▼前回までのあらすじ

『俺は良心的プレイヤーを辞めるぞ!DMーッ!』
『俺はNAGOYAになるッ!この《信仰力呪文修正:呪文24時間持続》でだァーッ!!』

▼プレイリポート(以下アドリアン視点)

(プレイ結果を元に捏造分が含まれています。ご注意ください)

失策

我々が瞬時に体勢を立て直したのを見て、ハーフフィーンド・ビーヒアは逃げの姿勢に転じる。
背中の翼が大きく動き、その巨体が浮きあがった。
逃がすわけにはいかない。ビーヒアが死霊王と手を結んでいる可能性もある。
多少無理をしてでも、ここで討ち倒しておかなくては。
今、我々の行動を気取られるわけにはいかないのだ。
「上を取るぞ!」
ヘルシアとオルト、そしてエノーラを引き寄せ、ディメンジョン・ドアでビーヒアの頭上へ。
即座にフェザー・フォールを唱え速度を殺す。
オルトがシアリング・ライトを放つ。
ビーヒアは苦し紛れにダークネスを唱えるが、エノーラのデイライトが闇を打ち払う。
これで、王手。続く一撃は、ヤツの首を切り落とすだろう。
私の期待に応えるかの様に、ヘルシアがグレート・ソードを担ぎ叫ぶ。
ライノズ・ラッシュ!」
『じゃあ機会攻撃から組み付きに入る』
『げ。つかみ強化かよ!』
『やべぇ、呑まれた!』
『ぎゃあああ!?』
ヘルシアの剣が届く寸前、ビーヒアが大きく口を開く。
次の瞬間、ヘルシアの姿が消えた。
──まずい!
『やばい、死ぬ!これはマジ死ぬ!』
『癒しの手は!?』
『……間に合わない。直前の酸ダメージでhp-10になる』
『……だめだ、詰んだ』
ヘルシアを飲み込んだビーヒアは、そのまま空を飛び去ろうとする。
その背後から放たれたアシムの弓が、ビーヒアを撃ち落とす。
「ヘルシア……!」
「何と言う事だ……」
急いでその腹を切り裂いたが、既にヘルシアは事切れていた。
ヘルシアの遺体を腹の中から丁重に救出し、バッグ・オヴ・ホールディングへ詰め、テレポートを唱えた。
フリーダム・オヴ・ムーヴメントをかけるべきだった……!』
『ヘルシア実はACもhpも低いからな……』
『パーティ全体が攻撃偏重だしなぁ……』

再起

誰も、口を開こうとしなかった。
常日頃から、死は覚悟している、と自負してはいたが、象徴であるヘルシアの死は、予想以上に重いものだった。
私とて、それは例外ではなかった。
だが、ここで挫折するわけにはいかない。
ブリンドルの、人々の運命が、かかっている。
再起しなくてはならない。そして、戦争に勝利する事で取り返すのだ。
自分にそう言い聞かせ、心の表面を塗り固める。
私の……いや、我々の心は、折れてはいけないのだ。
「オルト。リザレクションの準備をしてくれ」
「……呪文は、準備できますが……ダイヤモンドが必要です。そして、私達には……それだけの資金がありません」
「金貨は200枚足らずを残して、全部使ってしまいましたよ」
「捻出したとしても……この先戦えなくなってしまう」
私は立ち上がり、傍らのヒューワーズ・ハンディ・ハヴァサックを手に取る。
小さな皮袋を取り出し、テーブルの上に白金貨を積み上げると、皆の目が丸くなった。
「白金貨で500枚ある。明日の朝までに、ダイヤモンドを調達してくる」
「……どこから、そんな大金が?」
「我々は手に入れた白金貨には1枚も手をつけていなかった、という事だ」
皆が溜息をつき、苦笑する。
苦笑とはいえ、笑顔は笑顔だ。
「……参りましたね」
「……欺いていたのは敵だけでは無かった、と言うことか」
「何を人聞きの悪い事を。ハイローニアスに誓って、私は嘘は吐いておらんよ。金貨と銀貨が何枚あるかは、常に答えておったしな」
『パーティの財布たる者は、本当の所持金を明かしてはならない』
『彼等は常に最後の1cpまで使ってしまおうとするからだ』
そんな話を聞いたのはいつの事だったか。
誰から聞いたかも覚えていないが、薀蓄は私の中に生き、こうして役に立っている。
「……何にしろ、私達にはまだやれる事がある……そうですね?」
皆の目に輝きが戻ったのを確認し、私は小さく頷いた。

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