『いいねwwwwww』
『このクソNAGOYA共がwww』
(6話一部追記)
(プレイ結果を元に捏造分が含まれています。ご注意ください)
翌朝、我々のところへジャルマース卿の使いがやってきた。
ドワーフ氏族の元への使者から連絡が無いらしい。
赤手の斥候隊に出くわした可能性もある、と言う。
一行には、案内役としてジョールが同行していたとの事。
「救出に行こう」
「そう言うと思っていました。神託の準備は無駄ではありませんでしたね」
「ああ。予定は少し変わるがな。ジョールが同行していたのは不幸中の幸いか」
「死霊王はどうするんです?」
「討ち倒すだけならいつでもできる」
オルトが香を焚き、ハイローニアスにコミューンを求める。
「……どうだった?」
「ジョール氏は生きています……無事とは言えないかも知れませんが、急げば間に合います」
「皆、戦いの準備を。私は”眼”を通す」
スクライングを唱え終わると、大鏡がジョールの姿を映し出す。
ジョールは、簡易な処刑台から吊り下げられており、ゴブリンに槍先で突付かれていた。
私が簡潔に(控えめな表現を用いて)説明すると、部屋が奇妙な沈黙に包まれた。
「……そうか」
ヘルシアがつぶやくのと同時にマス・コンヴィクションとプロテクション・フロム・イーヴルが唱えられる。
続くブレスにリサイテイションにあわせ、私もヘイストを準備する。
私がテレポートを唱える直前に、オルトのホーリィ・ソードがヘルシアのグレート・ソードに輝きを与えるのが見えた。
ゴブリン共が不運だったのは、我々が対死霊王用に呪文を準備していた事だ。
──悪く思うな。
そこは街道沿いの小さな駅家で、我々が降り立ったのは馬囲いの中央だった。
囲いの向こうには、数体のホブゴブリンと、エティンの姿が見える。
小屋の扉は叩き壊されており、辺りには嫌な匂いが立ち込めていた。
ジョウルが吊り下げられた処刑台に、乾いた血がこびり付いているのを見れば、既に何人かが犠牲になっているのは明らかだ。
「我等ハイローニアスの剣!悪を討ち倒す刃なり!」
ヘルシアの声が高らかに響く。
ゴブリン共が武器を構えるのと同時に、我々は動いた。
ジョールを吊るした縄が切られ、ゴブリンが両断される。
我々は容赦なくゴブリンを、ホブゴブリンを、エティンを討ち倒した。
30秒と経たぬうちに、その場に立っているのは我々だけになっていた。
「──大丈夫か」
「レッサー・ヴィゴーを。傷は深くない」
ドワーフ達へ贈る宝箱の錠前は壊され、馬車は見る影もなかったが、
幸いにも、金貨は手付かずのまま、小屋の中から見つかった。
傷を癒したジョールが、ぽつり、ぽつりと口を開く。
この街道で待ち伏せを受けていた事。
“獅子”達は、ジョールを助けようと懸命に立ち向かい、命を落とした事。
生き残った”獅子”達も、ジョールの身代わりとなり死んでいった事。
「……すまなかった。我々が、もう少し早く気がついていれば」
調べる方法はいくらでもあった。
スクライングやセンディングを使っていれば、5人の”獅子”達は死ななくて済んだはずなのだ。
「……ハンマーフィスト氏族の所までの道はわかるな?」
「彼等は、ブリンドルのために命を落とした」
「残された我々に出来る事は、あらゆる手段を用いてブリンドルを護る事」
「そのためには、ドワーフ達の協力が必要なのだ」
ジョールが頷くのを確認すると、私はリーガル・プロセッションを唱え始めた。
日が沈む前に、我々はハンマーフィスト氏族館に辿り着く事ができた。
ジャルマース卿からの親書の事を告げると、氏族長への謁見はすぐに許可され、我々はドワーフ細工を凝らした部屋へ通された。
「──諸君等の置かれた境遇は良く解った……が」
威風堂々たる氏族長は、親書に一通り眼を通すと、わずかに渋い顔をして見せた。
「臆したと言われるかもしれぬが、長としては氏族を護る事を第一に考えねばならぬ」
「ならばこそ!ブリンドルで赤手を迎え撃たねばならない!」
声を荒げたのはヘルシアだった。
「ブリンドルが陥落したならば、赤手の進軍は、この一帯を焼き尽くすまで止まらないでしょう。
彼等はただのゴブリンの群れではない!竜を、巨人を、不死の亡者をも従えた猛悪なる軍団だ!
我々はそれをさせぬため、ハイローニアスの名の下に、秩序を護り、正義を成す為に立ち上がった!
貴公等の父モラディンも、そして貴公等もまた、秩序と正義を愛する者であるはずだ!」
誰も、何も言わなかった。
1秒、2秒と時間が過ぎ、やがて氏族長が口を開いた。
「──いいだろう。秩序と正義を持ち出されては、立ち上がらぬ訳にはいくまい」
「では」
「うむ。我等ハンマーフィストもまた、ブリンドルのために尽力しよう」
Categorised as:赤い手は滅びのしるし
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